作るきっかけ
おっさんは基本的に作ることが好きなのだが、自分の物欲はあんまり無い。
だから、「欲しい」と言われるのは全然ありがたい。
むしろ、課題ができたと思って嬉々として取り掛かる方である。
そんなおっさんにお嫁ちゃんがこんなことを言い出した。
「そろそろ鞄が欲しくなってきた。ハンドバック、こんな感じのやつ」と言い、ネットのとある鞄を指さす。
「なるほど、なるほど、OK、OK、いいよ、作りましょう」
と言うわけで、今回のミッションはお嫁ちゃんが欲しい鞄を作ってみる。
作ったらええねん
今回の依頼はサンプル画像があるので、それに似せたデザインを考えればいい。
まずは、ネットのデザイン画像をコピーして、エクセルに張り付け、印刷してみた。
色々な角度から取られたハンドバックの写真を見ながら、デザインを起こしていきます。
カット
出来上がったデザインでまずは革をカット。
今回の作品はハンドバックと言うことで革も結構使います。
カットもいつになく緊張が高まります。
全てのパーツをカットしました。
結構な量です。28デシと言ったところでしょうか。
デシ:革の単位として、10センチ四方を1デシと呼びます。革の値段は1デシ幾らで計算します。今回は1デシ¥120の革を使ったので¥3400程になりますね。
コバ磨き・穴開け
カットしたパーツの内、革の端部分でカットしたままだと、毛羽立ってしまって見た目にブサイク。そこで、特に人目に触れる部分はコバ磨きと言って革の端をかっこよくする。(今回は写真無かったから画像は無し)
更に、レザークラフトの手縫いの場合、縫う前に縫い穴を空けておく必要がある。ミシンだと穴を空けつつ、縫っていくので穴開けの必要はない。ここが、ミシンと手縫いの大きな違いの一つだ。
時間は手縫いの方が圧倒的にかかる。生産性はがた落ちで、お金に換算したらとてもじゃないが売れないだろう。
それでも、楽しいからいいんだけどね。
何れはミシンも使ってみたいなあ~とは思うけど。
縫う順番
次に縫う順番ですが、これが意外と重要で、複雑になればなるほど縫う順番の重要性が上がります。
この順番を間違うと、最悪の場合、縫えないことになりかねません。
縫えたとしても、縫いにくくなってしまい、思った以上に時間が掛かりかねません。
もちろんデザインの時に検討するのですが、実際にカットして具体的に革を目の前にした時に改めて縫う順番を再検討します。
今回考えた結果、こんな風に縫っていくことにしました。
底面を縫う
まずは、他と影響が少ない箇所を縫い合わせる。
これ基本です。
仮に、ここを最後に縫うことになった場合、縫いにくいこと請け合いです。
鞄の下4隅を縫う。
画像が無いんですが、ここで持ちてを部分を作り、本体に縫う。
写真を忘れたのが痛恨・・
内布ポケットを縫う
ここからは一旦外側の革部分からは離れて内布部分を作ります。
内布だけの場合はミシンを使いますが、革との接合部分はやっぱり手縫いになります。
ポイント
革と布を縫う場合、布部分がヨレてしまうので、一針一針伸ばしながら縫うのが良いでしょう。
内布を付けると言うのは本体を縫うのと同じかそれ以上に難しく、時間が掛かります。鞄づくりを始めるなら、まずは内布無しの鞄から取り掛かるのをお勧めします。
内布を縫いあげる
内布と本体を縫い合わせる
本体と革を縫い合わせます。
内布を縫い付けた革と本体の革を巻き込んで縫う箇所がり、その部分は都合4枚の革を縫うことになります。
その時針が通らないことがあるので、その場合は千枚通しで針穴を確保してやりましょう。
完成
苦労の末、完成しました。
イメージ通りになりました。
後は使い勝手と使い心地ですね。
お嫁ちゃんよろしく。
まとめ
お嫁ちゃんも満足そうに使ってくれてます。良かった良かった。
近所の公園で写真を撮って、鞄を作った時の苦労話を聞かせたら
お嫁ちゃん:別に内布無くてもええで
おっさん:え~、マジっすか?
お嫁ちゃん:無いやつも作ってみてよ。
おっさん:え~、まじっすか?
デザインなんかの時間もありましたが、大体32時間くらいかかりました。
手縫い、初めてのデザインってのを考慮するとこんなもんでしょうかね。
革 28デシ × ¥120 | ¥3360 |
その他(糸、ロウ、トコノールとか) | ¥500 |
作成時間 | 32時間 |
後日談
お嫁ちゃんが実家に帰って、お母さんにこの鞄を見せたようです。
お母さん:うわ、ええやん、うちもほしいわあ~
お嫁ちゃん:しゃーないなあ、今回だけやで。
—家に帰ってきて—
お嫁ちゃん:もう一つ作って、内布あるやつ。
おっさん:マジっすか?
と言うわけで、お母さん仕様の鞄を作ることになりました。
2回目と言うこともあり、縫い方もいろいろ改善し、2号機が完成しました。
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